「先送り」を軸に据える仕事術

「マニャーナの法則」という本があります。

GTDを導入しても、中々運用がうまくいかず、四苦八苦していた頃。
ふと手に取り、感銘を受け、仕組みが少しずつスムーズに走り出したのを覚えています。

マニャーナの法則には、幾つかの有用な考え方が紹介されていますが、中心となるものの一つが「先送りを基本とする仕事術」です。

ネガティブな印象を持たれがちな「先送り」

「先送り」と聞くと、ネガティブな印象を持ってしまいがちです。

やるべきことをやらずに、明日やればいいやと放り投げる、この状態を多くの方は「先送り」と形容するのだと思います。

先送りし続けた結果、締切がギリギリになったり、間に合わなくなったりすると、「先送りしてしまった自分」を攻め、「先送り=悪」という印象を持ってしまいます。

「すぐにやっておけば良かった」と、できなかった自分に対して、後悔をぶつけてしまいます、

先送りは悪か

現代社会は、「やること」に溢れています。

GTDの手法を一通り試したことのある方であれば、「把握」のステップで書き出されたタスクの数に、辟易したことが一度はあるでしょう。

あらゆる「やること=タスク」を書き出そうとすれば、それこそ無尽蔵に湧いてきます。

その多くが、「今日やろうと思えばできる」ことのはずです。
ただし、現実問題そんな膨大な量の「やること」を、一日で片付けることは到底できません。

それらを一つずつ少しずつ片付けていくためには、どうすればいいでしょうか。

その答えがマニャーナの法則が答えています。
つまり「戦略的に、先送りしていく」です。

先送りしないとどうなるか

「先送りする」と言うことは、抱えている「やること」の中から、「今日やるべきことだけを残す」ということに他なりません。

「やるべきことをやらない」のではなく「やるべきことだけを確実にやる」ために、その他のタスクを先送りするのです。

「明日できることを、今日やらない」というのは、マニャーナの法則の副題にもなっている、とても重要な考え方です。

「明日できること」を明日以降に先送りすることで今日という時間をこじ開け、「今日しかできないこと」に集中する、という意味です。

また、明日に先送りされた「やること」は、明日になれば「今日やるべきこと」に変わっています。
それを確実にその日に処理するためにも、その日も「明日できることは、更に明日に先送りする」わけです。

ここでマニャーナの法則のもう一つの核とも言える「今日発生した仕事で、今日締切の仕事は殆ど無い」という理論が、その先送りを後押しします。

マニャーナの法則を支えるタスクダイアリー

「先送りを軸とする仕事術」を実際に運用するにあたって、最低限必要なものは、「タスクダイアリー」と呼ばれる仕組みです。

「1日1頁で、その日のタスクを書けるもの」であれば、媒体は何でも構いません。

手帳を使用してもいいし、単なるメモ帳に日付を記入しながら使ってもいいし、EVERNOTE上で1日1ノート作成するようにしても良いと思います。

その日のタスクを1ページでまとめられて、明日以降に先送り(転載)が可能であれば、それはれっきとしたタスクダイアリーです。

GTDのオープンリストと、マニャーナのクローズドリスト

冒頭で「GTDの仕組みが、マニャーナの法則によって走り出した」という話をしました。

その要因となったのが、先送りを軸とする仕事術と、実際に運用するためのタスクダイアリーの導入です。

GTDでは、大量のタスクを実行できるレベルまで噛み砕きます。

ただ、その「噛み砕かれたタスク」も大量に抱えてしまい、取り掛かりに難がありました。

そこで、GTDの仕組みの中から「1日分」をマニャーナの法則によって取り出すことにしたのです。

大量のタスクを格納するオープンなリストから、その日だけの閉じられた(クローズドな)リストに移し替える手間を増やしたことで、全体の仕組みが回り始めました。

先送りの本質は、「やらないことを決める」ことで「やるべきことに集中できる」ことにあります。

実は有用なツールである「先送り」を活用することで、突破口が見えてくるかも知れません。

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ひばち
ひばち
「行動の整理」「モノの整理」「思考の整理」という3つの整理を主軸に、日々感じたこと、考えたことを呟いていきます。 タスク管理の勉強会 TaskFreaks!!主催。

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