タスクマネジメントとTEACCH構造化の類似点

タスクマネジメント(タスク管理)は、元々ライフハック文化から広まったものだと認識しています。

頭の中に抱えている「やること」を外に出し、整理し、今やるべきことだけに集中する、そんなライフハックの一つがタスクマネジメントでした。

当然、ToDoリストを活用する仕事術なんてものは、ライフハック以前から使われていたものではありましたが、「タスク管理」「タスクマネジメント」として、体系的に語られるようになったのは、やはりライフハックの文化からかな、と思います。

一方、「発達障害児の支援」という世界に、TEACCHと呼ばれるプログラムがあります。

自閉症児とその家族への支援を目的に構築されたもので、「Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped CHildren」(自閉症及び、それに準ずるコミュニケーション課題を抱える子ども向けのケアと教育)」の頭文字が取られたものです。

一見、何の関係もない「タスクマネジメント」と「TEACCHプログラム」ですが、その双方に深く関わっていくと、共通する理念のようなものを感じることができます。

TEACCHにおける「構造化」

TEACCHの中の重要な要素として「構造化」と呼ばれるものがあります。

意味、概念、表象、認知などの機能に重い障害がある自閉症の子どもに、治療教育的支援をするにあたって、彼らが生活や学習の場の意味を理解し、自分に何が期待されているかを分かりやすくするための工夫として、生活や学習などの環境やスケジュールなどを視覚的に構造化(Visual Structuring)する方法が世界の各地で実施され、成果が確認されている。すなわち構造化とは、自閉症のある子どもに周囲で何が起こっているのか、そして彼ら一人ひとりの機能に合わせて、何をすればよいのかを分かりやすく提示する方法である。 ー自閉症児のためのTEACCHハンドブック

主な構造化として、

  • 視覚的構造化
  • 物理的構造化
  • 時間の構造化
  • ワークシステム
  • ルーティン

の5つがあり、それらは特に自閉症を抱える児童にとって、「世界の見え方」を分かりやすくする効果的な方法として用いられています。

タスクマネジメントと構造化の共通項

上記の構造化の考え方は、タスクマネジメントに必要な要素に意外な程、マッチします。

視覚的構造化は、「目に見えるように書き出す」こと。頭の中に抱える「タスク」も、同じように頭の外に書き出し、そして、目に見える形で置いておく必要があります。

物理的構造化は、「モノの配置を整える」こと。タスクを実行しやすいよう、すぐに書き留められるよう、そしてモチベーションを保てるよう、自分をとりまく環境を整備する必要があります。

時間の構造化は、「時間を区切る」、そして「スケジュールを明確にする」こと。
時間を区切るということは、つまり1日を「セクション」に分ける、ということでもあります。また、スケジュールを明確に(カレンダーを使用する)ことは、タスクの管理をよりやりやすくしてくれます。

ワークシステムは、「手順書を作る」ということ。同じ手続きを要するタスクは、料理のレシピのように手順書を作り、それを見ながらその通りに行うことで、ストレスもミスも軽減することができます。

ルーティンは、「繰り返しを活用する」ということです。手順書よりも少し大きな規模で、例えば「朝起きてから出発まで」とか「帰ってきてから、お風呂に入るまで」、可能な限り「同じ動き」になるようにすると、心理的にも安定し、自身のメンテナンスがしやすくなります。

このように、5つの主要な構造化は、タスクマネジメントにおける「書き出す」「環境を整える」「セクションに区切る」「手順書を作る」「ルーティン化する」という重要な要素と共通しています。

発達障害支援とタスクマネジメント

このことからどういうことが言えるのでしょう。

1つは、TEACCHの構造化は、何も自閉症児への支援だけに効果がある訳ではなく、定型発達者にとっても有用だということです。

一方で、タスクマネジメントは、ライフハックとしてだけでなく、自閉症児への支援にも活用できる可能性がある、ということでもあります。

TEACCHとタスクマネジメントの意外な共通点は、ライフハックやタスクマネジメントの新たな広がりを予感させます。

これらが、何らかの形で「生きづらさ」への解決策になればと、両方の世界を見ながらそう感じています。

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ひばち
ひばち
「行動の整理」「モノの整理」「思考の整理」という3つの整理を主軸に、日々感じたこと、考えたことを呟いていきます。 タスク管理の勉強会 TaskFreaks!!主催。

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